ミリ波とsub6とは? 5Gに詳しくなるための2つの電波の特徴

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sub6 ミリ波
本日は5Gに詳しくなりたい方向けに、ミリ波とsub6とは? 5Gに詳しくなるための2つの電波の特徴をお送りします。
5Gについては知りたいけど、ミリ波とsub6ってなに? って思っている人に向けてできるだけかみ砕いて簡単に説明している記事です。

目次

sub6とミリ波とは

ミリ波とsub6とは5Gの電波のことです。
え、5Gって2つ電波あんの? って思ったそこの方! そうなんです。電波が2つあるんです。もちろん違いはありますが、現行(2021年11月)の5Gは主にこの2つの電波で成り立っています。
もちろん中身は全くの別物と言っても過言ではないと思うのですが、どちらも同じ5Gなのです。
本日は主にこの2つの5G電波の違いを説明していきたいと思います。

現在の使っているエリアがどっちの電波対応なのか知りたい方は、各キャリアのエリア情報をまとめた記事を貼りますのでそこからご確認ください。
https://metazaru.com/5g-miliwave-sub6-summary/

電波の特徴

大前提として、電波の特徴が大事になってきますので、それだけを先にお伝えします。

電波の大前提

  1. 周波数が上がれば上がるほど通信速度は速くなる
  2. 周波数が上がれば上がるほど、電波の到達距離は短くなり、また指向性も増していく

これが電波の特徴であり、さらに問題でもあります。

通信速度が速くなるなら周波数上げれいけばいいじゃ~ん、と言いたくなる気持ちはとても分かるんですが、2つ目の前提が問題なんですよね。
指向性という言葉を使ってますが、これをイメージでお伝えすると、低周波数だと電波が円状に広がってその中の通信機器にリーチしてくれるんですが、高周波数になるにつれて電波が真っ直ぐ飛ぶようになっていくんです。なので遮蔽物とかがあったり雨がたくさん降ったりすると、そこで電波が遮断されちゃって通信機器まで届かない、なんて事があるんですよね。

これは大なり小なり今でもあることですが、5Gだとより顕著に差として表れてくるので前提としてお伝えさせていただきました。
次の項目から5Gの2つの電波について説明していきます。

sub6の説明

sub6(サブシックス)とは、5Gの一つでありミリ波よりも低周波数域(6GHz未満)を使った電波のことです。

いきなり周波数のこと言われても分からん! と私の友人なら確実に激怒して言うと思いますので、蛇足かもしれませんが簡単に説明します。
ざっくり簡単に言うと、4Gとミリ波の間の電波使ってるんで、あんま使ってる人いないからけっこう早い電波だよ! という感じです。
とてもざっくりですね。これなら私の友達もにっこりでしょう。

しかし、これだけだと詳しい方から怒られそうなので、メリットとデメリットをまとめてみます。

メリット

  1. 4G技術の転用しているため、電波を利用できる環境がすでに存在している。
  2. ミリ波よりは電波が広域まで届き、障害物の影響を受けにくい

デメリット

  1. ミリ波と比べると、通信、接続数というところでは劣る
  2. このように、基本的には4G技術の転用なので、技術的な新しさというより4Gのアップデートバージョンと言えるかもしれませんね。

じゃあ4Gと何が違うの? って言われたら周波数と帯域が違うという話になります。
4Gはsub6より低周波数域(3.5GHz未満)を使っているので、sub6より広域に接続できますがsub6よりは通信遅いよ~、っていうのとsub6は4Gより帯域を広く取られているので、今までより大容量高速通信が実現できるよ! というような違いがあります。

またよく分からない帯域って単語が出てきましたね…。
しかしこれはドコモさんがめちゃくちゃ分かりやすい説明してくれているので引用します。
図では道で例えていますが、まさにそれだと思いますので、環八でも想像しながら見てください。

4Gと5G帯域の違い
引用元:https://www.nttdocomo.co.jp/area/5g/

以上がsub6の説明となります。
ミリ波の説明に移ります。

ミリ波の説明

ミリ波とは、超高速通信・大容量化、超低遅延、多数同時接続を可能とする高周波数域(28GHz)の電波のことです。
帯域もたっぷりと取られていて、テクノロジー系のニュースで「5Gすごい! 5Gやべえ!」と言われているイメージはこのミリ波にあたります。

過去に5Gすげえ! という記事を作っているので、あわせて見ていただけると嬉しいです。
https://metazaru.com/5g-10min-summary-benefit/

ちなみにミリ波の一般的な定義が30GHz以上なのに対し、使われている28GHzを若干盛ってミリ波と呼んでいるのはご愛敬です。
では簡単にミリ波にメリットデメリットを図にします。

ミリ波のメリット

  1. 超高速通信・大容量化
  2. 超低遅延
  3. 多数同時接続

ミリ波のデメリット

  1. 障害物の影響を受けやすい
  2. 基地局を新しく作るため設備拡充に時間がかかる。

この図を見て賢い読者の方は思ったことでしょう。
『あれ? sub6とか4Gより電波届きづらいんじゃないの? もしかして入れ忘れた? 馬鹿じゃねこいつ(笑)』みたいなことをです。
そんなわけありません。入れていないのには理由があります。

確かに大前提として、周波数域は上げれば上げるほど指向性が増していくし、届く距離は短いし、で通信は届きづらくなります。
しかし、ここで素晴らしい技術の登場、ビームフォーミングと呼ばれる技術です。
簡単に言うと、たくさんのアンテナを使って電波を集めて遠くまで、少しずつ場所を変えてビーム状の電波を通信機器に届ける技術です。
これにより遮蔽物の問題を解決させ、提供しているのがミリ波の5Gになります。

しかし、今までと違う技術を使っていることもあり、設備の拡充に少し時間がかかります。
少しずつ使える場所は増えているので、今後の提供に大いに期待しましょう。

まとめ

本日は5Gに詳しくなりたい方向けに、5Gの電波であるsub6とミリ波について説明しました。
それぞれ周波数と帯域に違いがあり、それによって大きく中身が変わることをお伝えできていたならば幸いです。

尚、普段皆さんがイメージされる5Gは、全国的に利用可能なものが多いのではないでしょうか。それに対して、限定的な5G回線である「ローカル5G」という技術もあります。生産現場のハイテク化等を進める上で重要な技術です。詳しくは、ローカル5G が簡単に分かるようになる3つのポイントでご紹介しているので、ぜひ読んでみてください!

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