みんなでバ美肉して、幸せになろう

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「バ美肉」という言葉が市民権を得つつありますね。
初めてこの言葉を聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、「バ美肉」とは、アバターなどを使い、ネット世界で美少女として配信などの活動を行うことを指します。

私も昨年末に存在を知ったのですが、概念を知れば知るほど、人々の幸せや自己実現を後押ししてくれる現象なのかもしれないなと、思い始めました。なぜかというと、「本当の自分」を表現する制約を、限りなく撤廃してくれる可能性を秘めているからです。

それでは、本編に行ってみましょう。

目次

バ美肉を1分で解説

冒頭にも書いた通り、「バ美肉」という言葉は世間に浸透してきたように見えます。ここでは念のため、定義を振り返りさせていただければと思います。

バ美肉とは「バーチャル美少女(セルフ)受肉」の略称です。2018年、VTuberが世に注目を集めはじめた頃にネットユーザーの間で使用されるようになりました。言葉が登場した当時の意味合いは、美少女の3Dモデルや2Dのアバターを自作して“魂”として中に入り、女性のような振る舞いを(視聴者や友人、ファンに)発表することを指していました。2020年現在では男女といった性差を問わず、バーチャルな空間の中で美少女として活動すること自体を表す言葉として利用されています。(※同様に女性が美少年になるパターンもあります)
引用元:「バ美肉」入門編! 方法や機材、振る舞い方を紹介【2020年版】

ブログサイトのMoguLive さんによる、上記の定義が非常に分かりやすいかと思います。

また、女性が美少年になるパターンも広義には「バ美肉」に該当するため、自分がなりたい性別や年齢層などを具現化してサイバー空間内で活動すること=「バ美肉」と考えても差し支えないかと思います。

バ美肉とは、現実逃避なのか

ネット世界で、現実とは違うキャラとして振る舞うことを「現実逃避」だと非難する意見を耳にすることもあると思います。ですが、私は全くそうだとは思いません。なぜならば、私たちが生きている現代は「超情報化社会」だからです。

そのような社会では、「情報」と「物理的資源」が同等の価値を持つとみなされております。むしろ、情報産業が圧倒的な速度・規模で成長していることを踏まえると、「情報空間」の方が価値が高いのかもしれません(時価総額的に、という意味です)。何はともあれ、ネットやサイバー世界のような「情報空間」が、「現実世界」と同等の存在意義を持っている世界に、私たちは生きているのです。なので、ネット世界での活動も当然、「現実逃避」などではありません。

加えて現代は、物理空間と情報空間を融合しようという動きが進んでいるようです。その具体例の一つが、都市とメタバースを連動させる計画です。詳しくは、都市連動型メタバース! auのバーチャルシティを徹底解説でご紹介しているので、ぜひ読んでみてください!

控えめにいっても、「情報空間」での私たちは、「現実世界」とはまた別の「アイデンティティ」を持った、確固たる存在だと思います。

バビ肉は、何を可能としてくれるのか

少なくとも外観という点において、バビ肉を通して私たちは、「情報空間」で究極の自己実現をすることを可能にしてくれます。

考えてみてください。現実世界での私たちは、常に生まれつきの自分というインターフェイスを通して、世界と相対しています(もちろん、肉体を後天的に変更する方法はありますが)。そして、生まれつき持っている外観や肉体に応じて、世界が反応します。その反応を元に、私たちは自分を理解して、アイデンティティを組み立てます。つまり、生まれつき持っているもので、私たちの「体験」がある程度、固定されているとも言えます。

これは、少し不自由な話に聞こえませんか。たまたま生まれつき持っている外観や肉体が、私たちの人格や性格に大きく影響を与えてしまうのです。まるで、「己」が「現実世界」に従属してしまっているように思えます。私たち人間は、もっと自由に「己」を追求できるはずです。

そこで、バ美肉の出番です。「現実世界」→「己」だった関係性を、「己」→「情報空間」→「さらに探求を深めた己」に方向転換するきっかけを作ることができます。なぜならば、「世界」と関わるための「外観・肉体」、つまりインターフェイスを、理想通りに設定することができるからです。そして、「己」に最も近い姿を通して、「世界」と関わることができるようになります。

ちなみに、3D空間で人々と交流出来るゲームは既にいくつか存在しております。その中でも、2000年代初めに世界で先駆けてリリースされたのが「セカンドライフ」です。詳しくは、世界初のメタバース? セカンドライフで送るヴァーチャル人生でご紹介しているので、ぜひ読んでみてください!

さあ、己を解放しよう

さて、ここまで書いておいて何ですが、もちろん私は「バ美肉」さえすれば幸せになれるとは考えておりません。「己」を深く探求することは必要ですし、日々磨き上げ、ちょっとでも明るく生きる姿勢を保つことは、大切だと思います。

しかし同時に、現代社会は「己」を探求するための障害物が多すぎると思います。

その一例が、過度の「見た目至上主義」と「コンプレックスを煽るマーケティング戦略の氾濫」です。例えば、電車の中にいると目に付くのは脱毛・育毛・肌ケアの広告。本屋で積まれているのは、成功や自己啓発をテーマとして、自己啓発本ばかりです。こんな世界に誰がしたのか。もちろん、色んなところに責任があるとは思います。ただし、それらのコンテンツが売れる、お金になる、というのは事実だと思います。そして、儲かるマーケティング手法は指数関数的に、使用されていきます。つまり、私たちの消費者としての選択が、今の社会を作っている一因になっています。

もしこんな生きづらい社会を少しでも変えたいなら、私たちにまずできることは、「消費するもの」を通して、社会に影響を与えていくことかなと思います。もちろん、外観や見た目が気になるのは、人間の性です。見た目が重要であることは、否定しません。でも、「現実世界」での「美のスタンダード」は既にバグっています。私たちが目指している「魅力ある姿」は、ほとんどが映像処理技術によって、本当の現実から大幅に乖離してしまっています。「広告」を追っても、私たちが満たされる可能性は限りなく低いのです。

では、どうすればいいのでしょうか。

その質問に対する答えの一つが、「バ美肉」することだと思います。既に「情報空間」は「現実世界」と同等の存在意義を持っています。であれば、現実世界で提唱されている「美」を追いかける時間を少しだけ減らしてみて、ネット世界で理想の自分を作り上げませんか?現実世界での見た目を磨き上げるのは、その後でもいい気がします。

そんなことを思いながら、私は今日もバ美肉Vチューバーのライブチャットに参加しています。

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