ChatGPTはGoogleなどの広告ビジネスに破壊的な影響を及ぼす?
広告業界をはじめ、さまざまな業界で人工知能(AI)の活用が急増しています。そんな中、数週間前に公開された「ChatGPT」は、Googleなどが展開する広告ビジネスのあり方を破壊するAIツールとなる可能性があるようです。
目次
ChatGPTとは?
ChatGPTは、明確でシンプルな文章で情報を提供することができるチャットボットです。概念的な物事もわかりやすく説明することができ、ビジネス戦略、クリスマスプレゼントの提案、ブログのネタ、休暇の計画などのアイデアを生み出すことも可能です。
これまでGoogleの検索エンジンは、インターネットへの中心的な入り口として機能してきました。しかし、Google幹部の中には、新しい種類のチャットボット技術に対する取り組み方が、Googleの将来を左右すると考えているようです。
Googleの広告ビジネスモデルとは?
Googleの広告ビジネスモデルは、ユーザーの検索履歴やオンライン活動に基づいて表示される「ターゲット広告」に大きく依存しています。
このモデルは、ユーザーに見せる広告をパーソナライズすることで、広告がクリックされる可能性を高めることで大きな成功を収めています。
しかし、ChatGPTなどのチャットボットは、よりパーソナライズされた、人間のようなアプローチで広告に提供することができるかもしれません。
チャットボットを活用した広告ビジネスモデルとは?
チャットボットを利用することで、各企業は会話をもとに、それぞれのユーザーに合わせてパーソナライズされたマーケティング(広告表示)を行うことができるようになります。これにより、コンバージョン率の向上や広告の有効性が高まる可能性があります。
下記が、ユーザーとチャットボットの会話履歴に基づいたターゲティング広告の一例です。
あるユーザーがチャットでスポーツ好きであることを頻繁に話している場合、チャットボットはそのユーザーに対してスポーツ用品の広告を提案できるかもしれません。この際に提案されるターゲティング広告は、オンライン上の行動(検索履歴等)だけでなく、ユーザーの実際の興味や嗜好に基づくため、従来のターゲティング広告よりも効果的な可能性があります。
ネット検索がチャットボットとの対話に置き換わる可能性
ChatGPTなどのチャットボットを日常的に使うには、まだまだ課題が多いのも事実です。
例えば、これまでにも様々なAIチャットサービスが差別的な表現や、問題発言を生成してしまう問題が多く報告されています。
しかし、OpenAIや他の企業がチャットボットを改良し、毒性や偏りのある発言が生成されてしまう問題を解決できれば、チャットボットは現在の検索エンジンの代替となる可能性があります。つまり、先にそのレベルまで到達した企業が、新しい広告ビジネスの勝者となる可能性が高まります。
まとめ
ChatGPTをはじめとするAIツールは、登場してからまだ日が浅いですが、多くの業界で従来のビジネスモデルを破壊する可能性を秘めています。
広告ビジネスの場合、チャットボットはより高いコンバージョン率と、広告予算のより効率的な使用につながる可能性があります。ユーザーに、よりパーソナライズされた効果的な広告を提供することができるからです。
チャットボットをはじめとするAIツールが、今後どのように進化を続け、広告業界の未来をどのように形成していくのか、興味深いところです。
Source:
A New Chat Bot Is a ‘Code Red’ for Google’s Search Business
Chatbot Advertising As a Double-Edged Sword: The Roles of Regulatory Focus and Privacy Concerns