カジノから学ぶドーパミンの管理方法
ドーパミンのレベルは、私たちの感情や人生、自信などに密接に結びついています。ドーパミンのレベルが低下すると、やる気が起きず、物事を追求する意欲が減り、肉体的にも疲れを感じやすくなります。
一方で、SNS、ジャンクフード、ポルノなどの強烈な快感物質を繰り返し体験すると、私たちはドーパミン不足状態に陥りやすくなります。そのため、ドーパミン量を適切な状態に保つことが大切になってきます。
この記事では、ドーパミンの管理方法をご紹介します。
目次
ドーパミンの基準値(ベースライン)
各個人にはドーパミンの基準値(ベースライン)があると考えられています。その基準値は、様々な行動や体が摂取したもの、あるいは思考に基づいて、急上昇したり急降下したりします。
ドーパミンのベースラインは、遺伝、行動、睡眠、栄養、前日のドーパミンレベルなど、多くの要因に影響されます。日々のモチベーションを維持するためには、ベースラインのドーパミンを十分なレベルに維持することが非常に大切となります。
ドーパミンのベースラインは低すぎても高すぎてもだめで、適切なレベルに保つ必要があります。
以下が、ドーパミンのベースラインを保つためのいくつかの方法です。
・早朝に日光を取り入れる。
・午後10時~午前4時の間は、明るい照明を見ないようにする。
・カフェインを摂取する(ただし、遅い時間帯は避ける)。
ドーパミンの放出を管理する
ゴールや目的を達成した際の快感は、格別のものです。しかし、気をつけないと、その際に放出されるドーパミンは徐々に減少してしまうことも分かっています。そのため、モチベーションを保つ続けるためには、ドーパミンの放出量にも気を配る必要があります。
脳科学者のヒューバーマン氏によると、ドーパミンの放出量を管理する方法はいくつかあります。
報酬タイミングをランダムにする
ドーパミンの放出とモチベーションを維持するために最強な方法は、報酬のタイミングをランダムにすること(Random Intermittent Reward Timing = RIRT)です。
このRIRTは、人間がカジノにハマってしまう最大の理由だと考えられています。スロットの「勝ち」は予測なく訪れるため、私たちはマシンから離れられなくなってしまいます。同じように、ドーパミンを放出するタイミングもランダムにすることで、モチベーションを維持できる可能性が高まります。
そのやり方ですが、目的やゴールを達成した際の「勝利」を、ランダムに楽しむことです。
例えば、時には「勝利」を楽しむために祝い、時には勝っても何もせず、淡々と次の作業を行うのです。加えて、「勝ち」を「結果」に結びつけるのではなく、努力の過程に関連づけることができれば、あなたは無双状態になります。
目標達成や勝利などの外的な報酬に依存することなく、ゴールを追い続けることができ、同時にその過程が楽しめるからです。
ドーパミンの放出元を絞る
ドーパミンの放出元を重ねすぎる(例:エナジードリンク+音楽+友人+スマートドラッグ)と、時間が経った後にクラッシュが起こります。その結果、長期的なモチベーションや継続的な意欲が損なわれてしまいやすくなります。
行動する際のドーパミンの発生源は、増やしすぎないようにすると良いでしょう。
喜びと痛みは脳の同じ部位で処理されている
Dopamine Nationの著者であるレンブケ氏によると、「過去75年間の神経科学における最も魅力的な発見の1つは、喜びを処理する脳の同じ領域が痛みも処理しており、喜びと痛みがバランスのように働いている」そうです。
人間の脳は快楽を経験した後に、不快感やイライラ、不幸感などの苦痛を経験するようにできていると考えられています。そのため、私たちは痛みの経験を消すために、常に快楽を求め続けているようです。
この仕組みを理解すると、ドーパミンの放出量にも気を配る必要性が分かってくるのではないでしょうか。
参考情報ですが、以下が物質や体験ごとの基準値から比べたドーパミンの増加量(%)の一例です。
・チョコレート:55
・ニコチン:100
・セックス:100
・コカイン:225
・アンフェタミン:1000
Source:
LIVING IN A DOPAMINE NATION
Tools to Manage Dopamine and Improve Motivation & Drive