知ると未来が想像できちゃう?サイバーパンクの紹介!

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cyberpunk

Cyberpunk(サイバーパンク)という言葉をご存知でしょうか?音楽のジャンルに聞こえるかもしれませんが、1980年代に盛り上がったSF小説のジャンルを指す言葉です。
後述しますが、その世界観は現代社会が進んでいる方向性を予言的に描いている節があり、現代文化にも大きな影響を与えています。
個人的には、サイバーパンク思想を知ることで現代社会の問題や未来の課題をより深く理解できると考えています。また、SF映画や小説をより楽しめるようになります。
今日はそんな、未来考察とSF文化体験をもっと面白くしてくれるサイバーパンク思想について書きます。サイバーパンク思想の概要や歴史を知りたい方向けの記事です。

目次

サイバーパンクとは

サイバーパンクとは1980年代に盛り上がった文化ムーヴメントで、ディストピア的な近未来を描いたSF小説や世界観・思想のことです。テクノロジーの発展で人間とコンピュータの境目が曖昧となっているかたわら、人間社会が崩壊しかけている(もしくは社会が機能していない)世界が舞台となっているのが一般的です。また、既存の社会システムや政治体制に対する反発・反撃も、重要なテーマとして扱われている場合が多いです。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/サイバーパンク

少し乱暴にまとめると、めちゃくちゃ高度に発達したテクノロジー✖️問題だらけの社会=サイバーパンク的な世界観です。例えば、ドラえもんのような万能ロボットが発明されているにも関わらず、極度な貧富格差や地球環境の破壊で大半の人類が苦しんでいる状況です。
これってもしかして、現代社会が進みつつある方向では?!!と思った方は多いのではないでしょうか。実は同じようなことを感じた人が多かったらしく、サイバーパンク思想は映画や小説等の現代文化にも大きな影響を与えています。

サイバーパンク思想に影響を受けている作品

サイバーパンク思想に影響を受けている作品はたくさんあります。ここでは代表的な映画を3つ紹介させていただきます。みなさんも知っている作品が多いのではないでしょうか。

攻殻機動隊(1995)

脳を直接インターネットに接続(電脳化)することが可能な近未来を舞台に、サイボーグ型警官が活躍する作品です。電脳やサイボーグ技術が高度に発展した結果、人間と機械の境界線が曖昧になっている様子が描かれています。また、核戦争が既に起きており、地球環境は著しく荒廃している設定です。

マトリクス(1999)

大多数の人類がマトリックスという仮想世界の中で生きている近未来世界が舞台です。マトリックスはAIや機械(マシン)が管理しております。主人公はその事実を知り、人類をマシンから解放するために戦うことを決意します。また、マトリックス世界の構築前に発生した人類とマシン間の戦争により、地球は常に分厚い雲覆われており、樹木等の自然も壊滅している様子が描かれています。

レディ・プレイヤー・ワン(2018)

戦争や環境汚染により社会システムが崩壊しており、人類の大半がスラム街に居住しております。現実世界には夢も希望もないため、多くの人々はVR世界の中に人生の楽しみを見出しています。

いかがだったでしょうか。
3作品ともあらすじはバラバラですが、どことなく世界観が似ている気がしませんか?その似ている部分こそが、サイバーパンク的な世界観です。

ニューロマンサー、最も有名なサイバーパンク作品

映画や文学に大きな影響を与えているサイバーパンクですが、最も有名な作品は何なのでしょうか。ずばり、Neuromancer(ニューロマンサー)です。
William Gibson(ウィリアム・ギブソン)が1984年に発表したSF小説で、ネビュラ賞やヒューゴー賞等、著名な文学賞を複数受賞しています。
早速あらすじを見てみましょう。

ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。今のケイスはコンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だがその能力再生を代償に、ヤバい仕事の話が舞いこんできた。依頼を受けたケイスは、電脳未来の暗黒面へと引きこまれていくが……新鋭が華麗かつ電撃的文体を駆使して放つ衝撃のサイバーパンクSF!
引用元:https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/10672.html

どうでしょうか?一見すると意味不明なあらすじに見えるかもしれません。しかし、サイバーパンクの概要を知っていると、内容や世界観が想像しやすくないでしょうか?

このニューロマンサーこそが、サイバーパンク小説の起源と言われています。ちなみに、私は読んだことがありません!読み終えたらぜひ記事に書かせていただきたいと思っています。

もう一つ、世界的に有名なサイバーパンク小説が「Snow Crash」です。メタバースの語源にもなっており、多くの方々に読まれております。詳しくは、メタバースの語源、スノウ・クラッシュの紹介にてご紹介しておりますので、もし良かったら読んでみてください。

サイバーパンクは未来を言い当てたのか

では最後にブログタイトルの伏線回収を試みます。

個人的には、現代社会はサイバーパンク的な世界に近づきつつあると感じています。環境汚染や気候変動に伴い、地球環境は人類にとって住みにくくなっていくことが予測されています。また同時に、テクノロジーやIT技術も超高度に発展しています。一方で、貧富の差の拡大・政治不安・グローバル規模のパンデミックの発生等、世界全体的に社会システムが不安定化しているように見えます。

このままでは、サイバーパンク小説で描かれているようなディストピアが出来上がってしまう!たまにそんな不安に襲われてしまいますが、みなさんはどうお考えでしょうか?

尚、サイバーパンクの世界観を知ると、一見「ハイテク化」に不気味さを覚えるかもしれません。しかし、実際にはテクノロジーを積極的に活用して都市作りをしようという前向きな動きもたくさんあります。その一つが、都市に連動するバーチャル空間を作るプロジェクトです。詳しくは、都市連動型メタバース! auのバーチャルシティを徹底解説でご紹介しておりますので、ぜひ読んでみてください!

まとめ

サイバーパンクをシンプルにまとめると、テクノロジーが超高度に発達した近未来世界を描いた小説のジャンルのことです。戦争や環境汚染等で社会システムが崩壊していることも、重要な特徴です。

サイバーパンクを知ることで、攻殻機動隊やマトリックス等の映画をはじめ、様々な文化作品の根底にある世界観をより深く理解できるようになると思います。そして、現代社会の未来に関して考察するうえでも、興味深い切り口になるはずです。

最後になりますが、ニューロマンサーの著者であるウィリアム・ギブソンの名言を紹介して本記事を終わりにします!

「未来はここにある。それはまだ広く行きわたっていないだけだ」
引用元:https://meigen.pt-hamamoto.biz/index.php?840

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