DAO って何?!よく分かっていなかったので、調べてみました。

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「DAO」という言葉を聞く機会が増えた気がしませんか?言葉だけは聞いたことあるけど、具体的に何のことかよく分からない。そう思い、この記事を書いてみました。

「DAO」という言葉は、2016年あたりの仮想通貨ブームから聞こえ始め、最近は「Web3」の盛り上がりと共に世間に普及してきたように思います。Web3 については、こちらの記事でご紹介しているので、もし良かったらお読みください。

シンプルにまとめると、「DAO」とは「管理者がいなくても機能する、民主的な組織(団体や会社)」です。本日は、なるべく噛み砕いて解説してみるので、最後までお付き合いいただければ幸いです。
それでは、行ってみましょう。

目次

DAO って何の略?何が出来るの?

「DAO」とは「Decentralized Autonomous Organization」の略です。直訳すると、「分散化された、自律的な組織」です。

これだけ聞くと、あまり意味がわからないですよね。私も当初は、プログラミングされたAIが管理している組織のことだと、勘違いしておりました(このブログを通して、物事を調べる習慣が身について本当に良かったです、、)。

「DAO」の具体的な説明に入る前に、そもそも「DAO」という組織形態が、何を可能としてくれるのかを考えてみましょう。

現代は世界中がインターネットでつながっており、職種にもよりますが、その気になれば国外の組織や会社で働くことが可能となりました。自分が興味・関心のあるプロジェクトや組織を探して、積極的に参加することが可能となりました。そして、それらの組織から報酬を得て、生計を立てるインフラ(トークン・エコノミー)も、徐々に整いつつあります。

ここで一つ問題となるのが「信用」です。これは国内・国外問わず言えることですが、どんな組織で働くか・どんな人々と働くのかは、その組織に入ってみないと分からないケースが大半ですよね。果たしてその組織を、そのメンバーを「信用」出来るのか。多くの人が不安に感じる点だと思います。そして、その組織がインターネット上で構成されている場合、それらの不安が増すのが一般的です。

一方で、世界中には様々なパッションを持っている人々がおり、多種多様なスキルを必要としているのも事実です。「信用」や「不安」が障害となり、多大な価値を提供できるプロジェクトが実行できなくなってしまったり、頓挫してしまうのは、人類にとって損失ですよね。

「DAO」は、ネットをベースに多種多様な人々が参加する組織にて発生し得る「信用問題」を取り除き、世界中の人々が安心して所属できる組織作りを可能としてくれる仕組みです。

ここで一旦、ethereum.orgが提供している定義も、参照してみましょう。

DAOs are an effective and safe way to work with like-minded folks around the globe.
引用元:Decentralized autonomous organizations (DAOs)

DAOの特徴

前段で「DAO」は信用問題を取り除き、様々なプロジェクトの発足や推進を推し進めるための仕組み、であると書きました。具体的には、どのような仕組みでそれを実現するのでしょうか。「DAO」と旧来型組織の対比を通して、その特徴をつかんでみましょう。
※旧来型の組織とは、いわゆる一般的な会社を思い浮かべてください。
 

DAO 旧来型組織
組織体系 民主的(分散的)

組織の方針などは、全参加者の投票によって決定する。また、投票へと発展する提案は、どのメンバーも行える。

中央集権的

組織の方針などは、ヒエラルキーの上層部にいるメンバーが決定する。検討する方針や決定事項なども、上層メンバーが考案する。

組織運営 自動的(自律的)

組織の活動は、「スマート・コントラクト」によって、予め設定されている。

そのため、DAOは事前に設定したルールに沿って、自律的に活動する。

属人的

全ての活動は、人の意思決定を通して実行される。

また、ルールも中央集権的に管理されており、上層メンバーがいつでも編集できる。

透明性 透明性が高い

例えば、金銭的な取引などはブロックチェーン上に記録されるので、第三者が閲覧することが可能。

透明性が低い

内部資料や金銭の動きが一般公開されることは少なく、機密情報が多く存在する。

 
「DAO」の大きな特徴の一つが、「組織体系が非常にフラット」である点です。旧来型の組織だと、株主・経営層・マネージャーが中心となって意思決定や方向性を決めていますよね。「DAO」組織には、このようなヒエラルキーが存在しません。つまり、経営者や社長、部長などの役職がありません。

では、何が「意思決定」をするのでしょうか。答えは、「スマートコントラクト」に沿った各メンバーの自律的な行動です。「スマートコントラクト」とは、ブロックチェーン上に組み込まれたルールブックみたいなものです。「DAO」組織は、「スマートコントラクト」によって事前に設定されたルールに沿って、運営されていきます。

時には、組織のルールや方向性を議論したり、変更したりする必要があります。旧来型組織であれば、上層メンバーが会議室などに集まって物事を決めていきますよね?ところが、「DAO」にはヒエラルキーがありません。そのため、所属メンバー全員が投票を行い、組織の方向性を決めるのです。

そして、「DAO」の金銭取引などはブロックチェーン上に記録されるため、誰でも見ることができます。先述した「スマートコントラクト」も、第三者がすぐにチェックできるように公開されています。そのため、活動内容の透明性が非常に高く、外部から組織の「信用性」を確認することが可能です。ブロックチェーンについては詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

少しまとめてみましょう。

「DAO」は一般公開された「スマートコントラクト」を軸に、組織運営されます。この「スマートコントラクト」や組織の方向性は、「DAO」に参加しているメンバーの投票結果に沿って、決定されていきます。そして、組織の活動履歴や実績などは、第三者がいつでも確認できる情報として、一般公開されます。

いかがでしょうか。旧来型組織との大きな違いや、「世界中の人が安心して参加できる組織」を作る土台として、「DAO」型組織の可能性を感じていただけたのではないでしょうか。お互いに対する「信用」が無くても、活動できる強固な組織。それが、「DAO」の大きな強みです。極論ですが、「スマートコントラクト」に記述されている「コード」さえ、信用できればいいのです。

DAOはどんな組織に向いているの?

ここまで、「DAO」の特徴や可能性について書いてきました。ここでは、どんな組織が「DAO」に向いているかを考察しましょう。

「DAO」の大きなメリットの一つに、「信用」が無くても世界中の人々が組織参加できるという点がありました。また、「スマートコントラクト」によって予め、活動の方向性が決まっています。
そして、情報の透明性が高いため、その組織が言葉通り(コントラクト通り)動いているか、チェックすることが可能です。以上の点を踏まえると、以下の組織が「DAO」に向いていると言えます。

チャリティー

世界中の人々が安心して参加でき、寄付をすることが可能です。
そして、その活動内容も事後確認できます。

フリーランス組合

世界中のフリーランサーたちがお金を出し合い、作業場所やソフトの購入費用を賄うことが可能です。昔で言うと、「ギルド」に近い考え方でしょうか。

投資ベンチャー

こちらも、世界中の人々から資金を調達することが可能です。
また、投資・運用方針も明確に定義でき、実績もしっかりと確認できます。

上記情報は、ethereum.orgを参照に書いております。
様々な言語で読めるため、ぜひウェブサイトを訪れてみてください。ものすごく勉強になります。

まとめ

本日は「DAO」について、その特徴と可能性を中心に書いてみました。コロナによって、物理的なコラボレーションが減ってきているのは事実かもしれません。その反面、ネット空間を通してのコラボレーションの重要性は、どんどん高まっています。そんなコラボレーションに、安心して参加できるようにしてくれるのが、「DAO」型組織です。

もちろん、「DAO」が普及していくためには、まだまだ色んな課題があります。しかし、「Web3」進んでいる方向性や、グローバル間の協業の重要性を踏まえると、大いに期待できる仕組みの一つではないでしょうか。

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