DeFi で金融世界が生まれ変わる? 金融の民主化とは何だろう。

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暗号通貨やNFT、ブロックチェーンなどでニュースが盛り上がっていますが、それらを束ねる概念が「Web3」です。シンプルに言うと、「Web3」は「脱中央集権化」、つまり”民主的なインターネットを作ろう”というムーブメントです。そして、そのムーブメントを支えているのが「ブロックチェーン」などの分散化技術です。

「Web3」が世界的に盛り上がっている中、金融サービスも、「脱中央集権化」しようという動きがあります。それを実現するための仕組みが「DeFi」と呼ばれています。この記事では、「DeFi」の概念、メリットやリスクを分かりやすく整理してみました。「DeFi」について知りたい方はぜひ、参考にしてみてください。

目次

DeFi とは何か

bitcoin

定義から確認してみましょう。

「DeFi」は「Decentralized Finance」の略で、「ディーファイ」と読まれています。日本語に訳すと、”分散型金融”です。私たちは普段、銀行などを介して、貯蓄や投資、保険などの金融サービスを利用していると思います。言い方を換えると、特定の金融業者を介して金融サービスを利用していまよね。 これに対して「Defi」は、特定の管理者を通さずに金融サービスを利用できるようにすることを目指しています。つまり、中央集権的な仲介者が不要な仕組みを作ろうとしています。中央管理者がいない=分散的に管理する、ということで、”分散型金融”と呼ばれています。

これだけでは少し分かりづらいので、もう少し過去を振り返りながら、話していきたいと思います。

中央集権的な管理システムに対して、批判的な意見は常に存在していました。多くの人が疑問を持つきっかけになったのが、2008年に起きたリーマン・ショックでした。サブプライムローン問題に端を発し、徐々に明らかになった”ヤバい証券化”の実態、そしてアメリカ大手投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の破錠を機に広がったグローバル金融危機。そんな状況の中、政府や中央銀行、金融業者などに対する不信感が世界的に広がりました。

「ビットコイン」の概念が世に公表されたのも、2008年でした(サービス運用開始は2009年1月)。ビットコインの出現により、私たちは「中央集権的」に管理された金融サービスから脱却する道筋が見えたのです。つまり、「ビットコイン」は世界で最初の「DeFi」ツールだと言えます。

なぜビットコインは「DeFi」アプリとして機能できるのか。それは「ブロックチェーン」技術のおかげです。ブロックチェーン技術を使うことで、残高の記録や通貨のやり取り、取引履歴の保持などを分散的なネットワークで行うことが可能となりました。ビットコインの成功で、国家や銀行などの「仲介者」を通さずに金融サービスが運用可能であることが、証明されたのです。この事実は、「分散的」な仕組みやアプリを作ろうとしていた人々にとって、強い追い風となりました。

ここで一旦、「DeFi」の定義に戻りましょう。

”分散型金融”とは何を意味するのか。それは、「中央集権的」な仲介者を排除して、ブロックチェーンなどの「分散化」技術を使い、金融サービスを利用可能にする仕組みです。そして金融サービスには、貯蓄やローン、そして保険などが含まれます。

思想やビジョンと、技術の融合。これが「DeFi」ムーブメントを生み出しているとも言えます。

DeFiのメリット

benefits

思想的に魅力があっても、ユーザーにとってメリットが無い仕組みは広がらないですよね。ここでは、DeFi のメリットを2つにまとめてみたいと思います。

ネット環境があれば、誰でも使える

ネット環境されあれば、口座(ウォレット)が持てます。そのため、銀行が無い地域に住む人々も、資産を保有したり、転送できるようになります。また、国籍問わず、様々な国や団体が提供している金融サービスが利用可能になります。

資産の転送コストが低く、速度が速い

銀行などの仲介者が存在しないため、仲介手数料がかかりません(プログラムが処理を行います)。そのため、資産の送受信コストが下がると同時に、処理が完了するスピードも劇的に速くなります。

いかがでしょうか。以前ご紹介した「DAO」にも通じることですが、「信用」問題をプログラムや分散化技術で解決するため、制約が少なく、多種多様な人々が使える仕組みが出来上がる可能性が高そうですよね。

DeFiのリスク

risk

DeFi はまだまだ発展途上の構想です。そして、現時点ではリスクも大きいのも事実です。ここでは2つ、大きな問題を取り上げてみます。

資産価値が全く安定していない

DeFi 上で取引される通貨は「暗号通貨」が大半です。ブロックチェーン技術に根ざした構想であるため、これは当然と言えば当然なのですが、ここに大きな問題があります。それは、「暗号通貨」の資産価値が全く安定していない、ということです。「暗号通貨」それ自体に価値がある、という話にも一理ありますが、2022年現在、生活の基盤は法定通貨(ドルや円など、国家が発行した通貨)で成り立っています。

プログラム主導なので、バグがあると終わる

DeFi は「スマートコントラクト」と呼ばれる”事前に設計したプログラム”を元にサービスが運用されます。「スマートコントラクト」自体は、仲介者を必要としない仕組みを作る上では必須なのですが、開発初期段階においてはプログラムや設計に「バグ」が存在する可能性が高くなります。そしてバグによっては、私たちの資産が一瞬にして消えてしまう、または悪用される可能性があります。

まとめ

decentralized

本日は分散型金融を実現するための「DeFi」という仕組みについてお送りしました。「DeFi」はまだまだ発展途上ですが、様々なプロジェクトが進行中でもあります。今後は、DeFi のプロジェクト例や具体的な使用用途についても、お届けできればと考えております。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。


引用元:DEFI – The Future Of Finance Explained

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