イェール大学の研究によると、DMTがうつ病の治療に使える可能性あり

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イェール大学で行われた研究によると、DMTという幻覚剤がうつ病の治療に使える可能性があることが分かりました。研究グループは、結果を前向きに捉えているものの、今後もさらなる研究が必要だと考えています。

目次

DMTとは?

DMTとは、強力な幻覚体験を引き起こすサイケデリックドラッグです。多くの動物や植物に自然に含まれており、アヤワスカの成分の一つです。


Source: DMT Drug Abuse: What You Need to Know

DMTは他のサイケデリックドラッグと比べ、作用時間が非常に短いことで知られています。

どんな研究が行われた?

今回の研究の被験者は10人です。その内、7人がうつ病の診断を受けていました。

DMTの投与後、研究グループは乱用の可能性や、被験者の血管系機能、気分や不安を調べました。また、DMTの精神作用やうつ病の症状もモニターされました。

DMTの注射後、血圧、心拍数、不安や精神作用の高まりが確認されましたが、それらは20~30分ほどで消失しました。研究者によると、ほとんどの有害事象が軽度だったそうです。

DMTは合計2回投与されましたが、2回目(より高濃度なDMT)の投与の際、HAMD-17と呼ばれるうつ病尺度のスコアが、著しく低下(平均値より4.5ポイント低下)することが観測されました。この結果は、統計的にもかなり有意義な結果だと考えられているようです。

今回の研究は、小規模かつ短期で行われたため、研究グループは「抗うつ効果の再現性や持続性」を明らかにするために、さらなる研究が必要だと考えています。

また、別のサイケデリック薬ではありますが、マジックマッシュルームに含まれる成分とうつ病に関する大規模な研究も、最近行われました。

詳しくは、こちらの記事で読んでみてください。

Source:
Yale study of DMT for depression is encouraging
Exploratory study of the dose-related safety, tolerability, and efficacy of dimethyltryptamine (DMT) in healthy volunteers and major depressive disorder

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