アンフェタミンが脳に作用する仕組み

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アンフェタミンとは、強力な中枢神経系刺激作用がある「合成覚せい剤」のことです。注意欠陥多動性障害(ADHD)やナルコレプシーなどの治療によく使用されます。

アンフェタミンは、脳内のドーパミンやノルエピネフリンといった特定の神経伝達物質の濃度を高めることで作用します。

目次

どのように作用する?

アンフェタミンは、神経伝達物質の数を増やすことで、中枢神経系をより速く働かせます。
※神経伝達物質は、体内の細胞間にメッセージを送り、細胞がどのように働くかを伝えます。

特に、以下の神経伝達物質の数を増やすようです。

・ドーパミン
・ノルエピネフリン
・セロトニン

アンフェタミンを摂取すると、神経伝達物質がスピードを調節して、メッセージを素早く送信するようになります。
その結果、以下の効果を感じることが報告されています。

・注意深くなる
・落ち着く
・エネルギッシュになる
・集中する
・幸せを感じる(喜びや多幸感)

アンフェタミンの具体的な作用方法

アンフェタミンは体内に入ると、血流に吸収され、脳内に移行します。

脳内に入ると、ドーパミンとノルエピネフリンのトランスポーターに結合して活性化します。トランスポーターは、これらの神経伝達物質をシナプス(神経細胞間の小さな隙間)から取り出して、神経細胞内の貯蔵小胞に戻す役割を担っています。

アンフェタミンは、これらのトランスポーターを活性化することにより、ドーパミンとノルエピネフリンの「再取り込み」を増加させ、シナプスにおけるこれらの神経伝達物質のレベルを増加させます。

この神経伝達物質レベルの増加は、覚醒度、注意力、エネルギーレベルの増加など、脳と身体に様々な影響を与える可能性があります。

また、アンフェタミンはGABAという神経伝達物質の働きを阻害する作用もあります。GABAは神経細胞の活動を抑制する働きを持っているため、阻害されると脳がさらに刺激され、神経細胞の活動が活発になることがあります。

アンフェタミンの摂取方法

アンフェタミンは、医療従事者の指示に従って服用するのがベストです。

一般的には、処方されたアンフェタミンの種類と量に応じて、カプセルや錠剤、経口溶液を使用して服用します。

アンフェタミンに依存していると感じたり、処方された量が症状の管理に役立たないと感じたら、推奨量以上は服用せず、すぐに医療従事者に相談しましょう。

アンフェタミンの副作用はある?

アンフェタミンには、以下の副作用があると報告されています。

・中毒性
・不安、過敏性、行動上の問題
・血行障害
・勃起不全
・心臓病
・吐き気
・精神病
・重度の疲労または睡眠障害
・血管の腫脹(血管炎)

Source:
Amphetamines
Drugbank: Amphetamine

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