IKEAが囚人による強制労働を使っていたとの報道
Disclose(フランス)の報道によると、スウェーデンの大手家具メーカーIKEA(イケア)が販売する多くの製品が、長年にわたりベラルーシの刑務所で、強制労働によって製造されていたことが明らかになりました。
目次
概要
調査によると、イケアの主要なベラルーシのサプライヤーの多くが、ベラルーシの権力者であるアレクサンドル・ルカシェンコ氏(ウラジーミル・プーチンの盟友)が運営する刑務所とつながりがあったそうです。
ベラルーシを亡命した野党指導者のフラナク・ビアチョルカ氏は、ルカシェンコ政権は政治犯や囚人に重労働を課して、無料の労働力として使っているとコメントしています。
具体的な事例のひとつに、モゴテックス(イケアのサプライヤー)が、2019年にIK-2少年院からテキスタイルを購入していました。IK-2少年院の責任者は、「政治犯の非人道的な扱い」を理由に、2006年から2014年にかけてEUから制裁を受けていました。
イケアはいつから強制労働を使っていたの?
イケアとベラルーシ企業との協力関係は、1999年から正式に始まったそうです。その後、数年間でベラルーシの木材供給量は激増しました。また、2021年のベラルーシからのイケアの購入額は3億ユーロでした(2018年は1億3000万ユーロ)。
イケアの広報担当によると、イケアは2021年6月にベラルーシの「人権状況」を理由に、ベラルーシでの新規事業展開をすべて停止することを決定していました。その後、ウクライナ戦争と国際的な制裁により、ベラルーシ市場からの撤退計画は「加速」され、2022年6月にベラルーシのサプライヤーとの契約を打ち切ったようです。
ちなみに、イケアは2012年に、1970年代から80年代にかけて旧東ドイツの政治犯が生産した製品を購入していたことを認めています。
Source: Ikea Admits Forced Labor Was Used in 1980s
イケアに罰則はある?
抗議活動を行ったベラルーシの無政府主義者であるピョートル・マルキウラ氏によると、イケアに法的な責任を問うことは難しいようです。
EUや加盟国の法律には、サプライチェーンにおける人権侵害に対する企業の責任が定められていないためです。
Source:
IKEA suppliers allegedly used Belarus prisoners under forced labor conditions, report says
Ikea suppliers accused of using forced labor in Belarusian jails
IKEA Uses Slave Labour of Prisoners