5分で分かる!知っておきたいメタバースの5つのポイント
近年、「Metaverse」( メタバース )という概念が世間から大注目されています。
テック業界では、人々の生活を劇的に変えてしまう力のあるアイデアや概念が常に生まれています。
この記事では、メタバースが何であるかを超シンプルに解説します。
目次
メタバースの語源
メタバースという言葉の語源は、90年代に発表されたSnow Crash(スノウ・クラッシュ)というSF小説です。作家のNeal Stephenson(ニール・スティーヴンスン)が作品内で描いた架空の仮想空間を「メタバース」と名付けたのです。
小説内では、人々はアバターを通してメタバースと呼ばれる3Dの仮想空間内で社会生活を送っていたようです。
「スノウ・クラッシュ」については、こちらの記事でご紹介しております。詳細を知りたい方はぜひお読みください!
現在のメタバースの定義
現在のメタバースの定義とは、「ARやVR技術を通して体験可能なオンライン上の世界」です。 広義では、デジタルのアバターを使用して人々が交流する仮想の3次元空間を指します。
ARやVRは使われておりませんが、アバターを使用して人々と交流できる「セカンドライフ(世界初のメタバース? セカンドライフで送るヴァーチャル人生にてご紹介しております)」も、「メタバース」として認識されております。
暗号通貨関連の大手ニュース配信サイトである Cryptonews では、以下のように定義しております。
A metaverse, to put it simply, is a space where humans can participate in a shared virtual universe.
引用元:What is the Metaverse?
「Ready Player One」(レディ・プレイヤー1)という映画を見たことがある方は、イメージが湧きやすいかもしれません。具体的な内容には触れませんが、レディ・プレイヤー1の世界では人々はVR視聴用のヘッドセットを被り、インターネット上の仮想空間に接続してゲームや他者との交流を行なっておりました。そして、人口の大半が現実世界よりも仮想空間内で過ごす時間を大切にしておりました。彼らは現実世界よりも、ARやVR技術が駆使されている仮想空間での生活のほうが豊かな体験だと感じていたのです。
メタバースという言葉自体、まだ社会に浸透して間もないです。そのため厳密な定義はまだ存在しませんが、「ARやVR技術を通して体験可能なオンライン上の世界」と理解しておくといいでしょう。
メタバース できるようになる3つのこと
メタバースの普及を積極的に進めようとしているような企業は、既に具体的な用途を検討しているみたいです。例えばMicrosoft(マイクロソフト)は、メタバース上での買い物・学校教育・会社での会議参加等に使用されることを想定しています。
買い物
店舗に直接行かなくても、メタバース上で買い物ができるようになります。 VR技術等を通して、かなりリアルに近い体験が期待できます。
学校教育
自宅にいながら、学校の教室をイメージした空間で授業を受けることができます。
会議参加
自宅から、オフィス環境をイメージした空間でビジネス会議等に参加できます。
メタバースへの参加方法ですが、レディ・プレイヤー1の世界みたく多くの人がゲームを通して体験し始めると考えている専門家が多いみたいです。現に、ゲーミングプラットフォームを展開しているRoblox(ロブロックス)は、仮想空間上でデザイナーズブランドであるGucci(グッチ)の100周年記念イベントを開催しました。
参照:Inside Gucci and Roblox’s new virtual world
メタバースの構築はまだまだ発展途上です。最終的にどのような形になるかは誰にも分かりませんが、直近は買い物や教育、ビジネス分野にて利用が促進されていくことが予想されます。
メタバース 既に体験可能
今後の発展と普及が期待されているメタバースですが、既にメタバース的な体験を提供している企業は存在します。先述したロブロックスとEpic Games(エピック・ゲームズ)は、仮想空間にて大規模な音楽イベントを開催しております。 ミュージシャンと視聴者の両方がアバターとしてゲーム内の世界に参加して、イベントを楽しむ形式です(ミュージシャンは巨大アバターとなりパフォーマンスします)。
イベントに登場したミュージシャンの一例ですが、エピック・ゲームズがFortnite(フォートナイト)内で開催してイベントではAriana Grande(アリアナ・グランデ)やTravis Scott(トラヴィス・スコット)が出演しました。ちなみに、トラヴィス・スコットのパフォーマンス時のライヴ視聴者は1230万人でした。
参照:Travis Scott’s first Fortnite concert was surreal and spectacular
ネット上の仮想空間とはいえ、リアルタイムでこれだけの観客を集められるのは驚異的です。 参加者全員がアバターとして、仮想空間に集まって交流しているのが非常にメタバース的でした。
メタバース 今後
今後のメタバースの発展ですが、巨大なテック企業やゲーム企業が中心となってメタバース的なプラットフォームの研究開発を進めています。そして様々な企業からメタバース向けのソフトウェアやハードウェア(VRヘッドセット等)が提供されるようになると思います。
一方で、インターネットの回線速度を初めとした技術的なハードルがまだ多く存在するため、メタバースの普及には時間がかかると推測している専門家も多くいます。 そんな中、2021年10月末にSNS業界最大手の「Facebook」が社名を「Meta」に変更しました。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)曰く、今後はARやVR技術、そしてプラットフォーム開発等のメタバース事業に賭けていくようです(社名変更にはいくつか理由があるみたいです。Facebook を取り巻く最近の動向を知りたい方は、こちらの記事)をご参照ください!
Meta(旧Facebook)の社名変更に対しては賛否両論ありますが、1兆ドル(約113兆円)規模の会社が全面的にメタバース事業に注力することで、メタバースの発展と普及はますます加速していくのではないでしょうか。
また下記の記事でメタバース関連のことを書いているので併せてお読みいただければと幸いです。
まとめ
いかがだったでしょうか。 かなりシンプルな説明になってしまいましたが、5分で分かる! 知っておきたいメタバースの5つのポイントをお送りしました。 今後はさらに細かく掘り下げて、メタバースの解説を進めていきます!