小説家になろう作品を1000冊以上読破したマニアが「なろう」を語ります

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ファンタジーな本の絵

小説家になろうとはWeb小説988,038作品(2022年10月現在)を無料で読める超大型自作小説投稿サイトの事です。
2004年4月2日に小説家になろうが発足してから18年。
過去、1000冊以上の作品を読破した自分が、小説家になろうを語ります。

目次

小説家になろうとは

株式会社ヒナプロジェクトが提供する小説投稿サイト。
作者登録することで、無料で小説をウェブ上に公開することができ、更にそれをサイトを利用している赤の他人が読むことができます。デバイスはインターネットに繋がれば何でもオーケーです。

誰でも、どこでも、いつでも、インターネットに繋がりさえすれば誰かの作品を無料で、際限なく読むことができる。
小説家になろう、を語る上で外すことができないのがその利便性です。
過去、電子書籍さえまだ有名ではなかった時代に起きたそれはまさに革命的でした。
ライトノベル全盛期、エンタメという沼にひたひたに浸かっていた筆者的に見ても、それはまさにイノベーション。

その利便性ゆえに、流行り廃りといったものに特に敏感で、一種のムーブメントというものが常に起きていました。
いわゆる「なろう系」と呼ばれるそれは、ガラパゴス的にその影響力をエンタメ業界の中で高めていき、今では毎期のアニメで「なろう系」のアニメ作品を見ないシーズンが無いほどに成長しました。

市場規模の急拡大

2014年12月時点でアクセス数は月間約9億5000万PV、ユニークユーザー数は約400万人[1]、2019年4月時点では月間約20億PV、ユニークユーザーが約1400万人に達している[2] -https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%AE%B6%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8D%E3%81%86(引用)

このデータが示す通り、小説家になろうを利用するユーザーは5年間で爆発的に増えました。

この驚異的な数字の伸びはひとえにライトノベル化からのアニメ化を果たした「ログ・ホライズン」(2013年-2014年)を皮切りに、その流れを汲みライトノベル化、アニメ化、漫画家、といったメディアミックス展開をする作品が増大したというのが大きく寄与しています。

作者が無料で公開し、人気が出ているものをプロの力で校正し、商品に昇華し販売する。
この流れにより、従来、小説家になろうでは難しかった執筆業による収入をクリエイターは得られ、デジタル作品の台頭による先細りが懸念されていた娯楽小説業界(メディア)の思惑がwin-winの形で一致したのも功を奏しました。

購買者とメディアの繋がり

Re:ゼロから始める異世界生活という作品は、2022年現在、外伝含め現在、既刊43巻に達する超巨大コンテンツに至りました。そして今も執筆中の作品です。
漫画ではなく、文章だけの小説がここまで長いシリーズになることは、昔のライトノベル業界ではほぼ考えられませんでした。

これは人気が出るか分からないまま販売するライトノベルでは、そこまで作品を継続させるリスクを負えないからだと推測します。
しかし、小説家になろうではそれができる。
なぜなら無料だから。金を払っていない以上、どれだけ長く続いていようが文句のつけようもありません。
故に、作者のモチベーションが持続する限り、作品は続きます。
そしてそれが何百万字と書かれた長編の小説だろうと面白ければ人気は出ます。
人気が出る作品なら当然、ファンはつきます。
お気に入りの作品に素敵な挿絵と綺麗な装丁、そして綺麗な文章になって発売されれば、欲しくなるのがファンというものです。

まとめ

メディア、クリエイター、購買者。この三すくみをうまく作り出した小説家になろうこそ、今後のメディアミックス業界をリーディングしていくリーダー的存在になるであろうと私は考えています。
利用ユーザーもより増えるでしょう。日本のオタク文化というものは世界に誇れるcool japanの一つです。海外のユーザーがどんどん流入するかもしれません。
それは言語の問題があるのでまだ先の話にしても、サブカルチャーにどっぷり浸かっている現代の若者を中心に、これからも話題の中心にあり続けることだと私は確信しています。

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