半導体って何?よく分かってなかったので調べてみました
経済やIT関係のニュースで、半導体という言葉を良く耳にしますよね。「パソコンやスマホを動かすためのチップでしょ?」「毎年、性能がどんどんよくなってるよね?」「半導体が不足していて、関連企業の株価が上がるって聞きました」などなど、とっさに思いつくかもしれません。
しかし、もし私が「半導体って何?」「なぜ重要なの?」と聞かれたら、ちゃんと説明ができないことに気が付きました。テクノロジーブログを書いているのに、ほんとに情けないですね。こんな理解度のままだとさすがにやばいなと思ったので、今日は半導体についてまとめさせてください。
本日の記事は、私と同じく「実は半導体が何かよく分かっていない。。」方向けです。
目次
半導体とは何か
最初に言葉の定義から入りますね。半導体とは「電気を通す導体と電気を通さない絶縁体との、中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料」のことです。
参照:半導体とは
つまり、「半導体」とは電気を通したり通さなかったりできる物質です。
「あれ、半導体ってパソコンやスマホを動かしている部品じゃないの?」
私も全く同じことを思いました。調べてみると、私たちがイメージしている「半導体」とは、「半導体集積回路」のことを指しているみたいです。「半導体集積回路」とは、大雑把に言うと「半導体」を用いて作られる電気回路です。
引用元:2020年に半導体を消費した企業ランキングトップ10、1位は2年連続でApple
コンピュータは「0と1の組み合わせ」で情報処理や計算を行なっています。そのため、「半導体集積回路」は「半導体」の性質(電気を通したり、通さないようにできる)を使うことでデータの記憶や計算などを行い、パソコンやスマホ、家電などの電子機器製品の”頭脳”として活用されているのです。
混乱を防ぐため、この記事では「半導体集積回路」のことを半導体と呼びましょう。
お気づきの方も多いかもしれませんが、半導体は私たちの生活にとって、必要不可欠なものです。なぜなら、日常的に使うありとあらゆる製品に使用されているからです。パソコン、スマホ、家電、車、etc。見渡す限り、私たちは半導体が使われているものに囲まれています。
今は圧倒的な半導体不足
私たちの生活にとって必要不可欠な半導体ですが、近年類を見ない規模で供給が不足しています。例えば、世界の半導体の発注〜納品にかかる時間(リードタイム)は、データが存在する2017年以降、最長となっています。
参考:「産業のコメ」半導体不足が自動車産業を直撃
もちろんこれまでも、IT機器への需要高が原因で、半導体が不足していたことは何度もありました。その際はパソコンやスマホなど、IT機器の生産に影響が及んでいました。言い方を換えると、半導体不足時は限られた範囲の製品だけが、影響を受けているように見えたのです。
しかし、今回は事情がだいぶ異なります。パソコンやスマホのみならず、自動車や健康機器、テレビ等、さまざまな製品や産業に影響を与えております。どうやら、これまで半導体とあまり馴染みが無いと思われていた製品も、半導体不足の影響を大きく受けているようです。
一体何が起きているのでしょうか。
実はここ数年、半導体の需要が急激に高まっております。その理由は、IoT(Internet of Things)と呼ばれる、インターネットに接続可能な家電やセンサーの普及です。私たちが日常生活で使っている可能性が高いものだと、スマートスピーカーやテレビ、冷蔵庫などでしょうか。IoTの普及に伴い、多種多様な製品に半導体が使われ始めているのです。
※IoTに明確な定義はありませんが、インターネットを介してモノ(主に電化製品やセンサー)同士をつなぐことを言います。
そして需要増加に加えて、コロナの影響で半導体の供給が大幅に減ってしまいました。工場の稼働や輸送が止まってしまい、半導体のサプライチェーンが大きく混乱してしまったのです。また、コロナで影響を受けたのは、供給体制だけではありません。人々の在宅時間が増えたことにより、テレワークや巣ごもり用にIT機器への需要も高まりました。
つまりコロナによって、供給力が下がってしまったと同時に、もともと高かった需要に拍車がかかってしまったのです。確かにこの状況だと、深刻な半導体不足に陥ってしまうのも無理はありません。
今後の半導体市場
野村證券のリサーチによると、半導体市場は2030年までに約100兆円規模に到達すると見込まれている成長産業です。自動運転やEV車の開発に加え、IoT機器が今後も普及していくことが予想されており、半導体需要はこれからも増加していくと予測されています。
引用元:ゲーム機や自動車などが品薄に。深刻な「半導体不足」がなぜ世界中で起きているのか?
そして直近の2020年にも表記がある通り、5Gの普及も半導体需要を高めている理由の一つです。5Gについてもっと詳しく知りたい方は5G とは?10分で簡単にわかる5Gの特徴と3つのメリットで説明していますので、ぜひ読んでみてください。
余談ですが、1990年付近は世界のトップ半導体メーカー10社のうち、5社が日本企業だった時代もあるそうです。下の動画をみると、インテル、サムスン、そしてTSMCの躍進を、視覚的に確認できますね。
引用元:Top Semiconductor Companies Sales Ranking History (1987~2019) [Includes Foundry from 2018]
まとめ
本日は、「半導体とは何か」についてお送りしました。また、直近の半導体不足の原因と、今後の半導体市場の展望に関しても、まとめてみました。
なお、半導体ビジネスについても知りたい方は、半導体の種類を調べてたら、半導体ビジネスの勢力図も見えてきた!にてご紹介しておりますので、ぜひ読んでみてください。
半導体には、まだまだ奥深い世界がありそうです。今後は半導体の種類や、半導体のトップメーカーに関する情報もお届けできたらと思っています。