メタバースの語源、スノウ・クラッシュの紹介
Snow Crash(スノウ・クラッシュ)という小説をご存じでしょうか?
近年、大注目されている「Metaverse」(メタバース)の語源となった小説です。
この小説で初めて、ネット世界に存在する仮想空間という概念に具体的な名前が付けられたのです。
この記事ではそんなメタバースの語源となったスノウ・クラッシュについて説明していきます。
メタバースの語源について知りたい方にはおすすめの記事です。
目次
スノウ・クラッシュとは
スノウ・クラッシュとは、メタバースという言葉を生み出した、メタバースの語源となった小説です。
メタバースについて知りたい方は5分で分かる! 知っておきたいメタバースの5つのポイントで説明していますので、ぜひご一読ください。
本作は1992年にアメリカ人作家 Neal Stephenson(ニール・スティーヴィンスン)が発表したSF小説です。近未来のアメリカで、反社会的なハッカー達が活躍する様を刺激的に描いています。
Neuromancer(ニューロマンサー)と共に、サイバーパンクを体現する代表的な小説だと評価されています。
海外メディアでは、「Snow Crash」が現在のメタバースや、Facebook(現Meta社)の動きを予言していたという意見も出ているくらい、後世に影響が強かった小説だと言えます。
参照:This 29-year-old book predicted the ‘metaverse’ — and some of Facebook’s plans are eerily similar
スノウ・クラッシュのあらすじ
近未来のアメリカを舞台に、運送業者ハッカー等のギグワーカー、そしてマフィアや企業達が暴れ回るという内容のSF小説です。
せっかくなので、アマゾンに掲載されている内容説明を引用しますね。
30分以内に配達できなければ、死が待っている…マフィアが経営する高速ピザ配達フランチャイズの“配達人”ヒロ・プロタゴニストは、世界最高の剣士にして、腕ききのハッカー。仮想空間のメタヴァースでスノウ・クラッシュと呼ばれる新種のドラッグを試してみないかと誘われたことから、とんでもない事件にまきこまれていくが!?近未来のアメリカをスピーディに駆けるハッカーたちの活躍を描くネット世代のためのSF。
引用:スノウ・クラッシュ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
もちろん、メタバースという言葉を生み出した作品としても有名です。
また、サイバーパンク(詳しくは、知ると未来が想像できちゃう?サイバーパンクの紹介!をご参照ください)の世界観も色濃く描かれており、近未来SF小説を肌で感じるには、すごくいい小説です。
スノウ・クラッシュの作者はどんな人?
作者のニール・スティーヴンソンは1959年にアメリカで生まれました。大学卒業後は様々な職業を経験したのちに、大学生活を風刺的に描いたThe Big U(ザ・ビッグ・ユー)という長編小説で作家デビューしました。
その後、スノウ・クラッシュやCryptonomicon(クリプトノミコン)等の大作を発表して、サイバーパンク(及びポスト・サイバーパンク)を代表する作家として世界的に認識されました。
スノウ・クラッシュが世界に与えた影響
スノウ・クラッシュが世界に与えた影響の中で一番大きなものは、仮想の3次元空間に具体的な名前を与えたことでしょう。旧Facebookが社名をMetaに変更したことを踏まえても、スノウ・クラッシュ内で使用されたメタバースという言葉がどれほど社会的に浸透したか想像できるかと思います。
また、近未来的な世界象をバチバチにカッコよく描いた小説として、めっちゃ高く評価されています(小説内ではマフィアがピザ配達業界を運営している等、かなりぶっ飛んだ設定が多いです)。数多くのシリコンバレー起業家の家に置いてある本、という噂もあります。
近未来世界に関して読者の想像や期待を大きく刺激した点において、文化的にものすごく影響があった小説だと言えます。
スノウ・クラッシュはどこで読める?
現時点ではアマゾンで文庫本を購入するしかないみたいです(かなり高額ですが)。
しかしながら、2022年1月に早川書房から復刻出版されるみたいです!
その際の本体予定価格は1000円とのことです。
出版されたらぜひ手に入れたいですね!
仮想的な3次元空間を意味する「メタバース」の原典として知られる書籍『スノウ・クラッシュ』が復刊される。早川書房の編集者である一ノ瀬翔太さんが自身のTwitterアカウント(@shotichin)で11月1日に復刊を示唆するツイートを投稿。同社に確認したところ復刊は事実としている。
引用元:メタバースの原典、『スノウ・クラッシュ』が復刊 早川書房から2022年1月に出版予定
まとめ
本日はメタバースの語源となった小説、スノウ・クラッシュを紹介してみました。
まだ読んだことがない方も、この記事を通して興味を持っていただけたら幸いです。
本ブログでは、具体的なテクノロジーの紹介と併せ、小説やエンタメ等も積極的に紹介していければと思います。
引き続き、よろしくお願いします!