マノスフィアを理解したいなら必読?!The Rational Maleってどんな本?

最終更新日

マノスフィアとは、主に男性で構成されているオンラインコミュニティやウェブサイトの集まりです。自己啓発的な側面がある一方で、女性蔑視や性差別的な信念が強く打ち出されている場合もあります。

そんなマノスフィア界隈でバイブル的に読まれている本が、Rollo Tomassi氏が書いた「The Rational Male(合理的な男性)」です。

自己啓発や進化心理学の観点から、人間(異性)関係や男性らしさ、女性の扱い方など、様々なトピックが取り扱われています。また、異性関係や恋愛の成功率を高めようとしている男性に、ユニークな洞察やアドバイスを提供しています。

「The Rational Male」は多くの読者から、「非科学的」で、「女性差別的な表現が多い」と批判を受けています。しかし、そのミソジニー的な部分が、マノスフィア界隈では幅広く支持されているのも事実です。そのため、「The Rational Male」の中身を知ることで、マノスフィアをより深く理解できるようになるかもしれません。

この記事では、マノスフィアに対する理解を深めることを目的に、「The Rational Male」がどんな本かを紹介します。

目次

誰が書いたの?


Source: Rollo Tomassi
著者は、Rollo Tomassi(ロロ・トマッシ)氏です。1969年生まれのアメリカ人で、作家/ブロガー/ユーチューバー/ポッドキャスターとして知られています。

すでに10年以上、異性関係や恋愛、男らしさに関するコンテンツを発信し続けており、マノスフィア界隈からは幅広く支持されています。

進化心理学や人類学、合理主義など、様々な学問を組み合わせる形で、ユニークな主張を行う著者として知られています。2013年に発表された「The Rational Male」は、国際的なベストセラーになりました。

The Rational Maleの主張


Source: The Rational Male (English Edition)

The Rational Maleは、マノスフィアやレッドピル(真実に気づくきっかけとなるもの)のバイブルだと言われています。

レッドピルとは映画「マトリクス」で、主人公が世界の真実を見るために赤いピル(レッドピル)を飲み込んだシーンが元になっています。マノスフィアの世界では、レッドピルを飲み込むと「女性が世界を支配しており、男性は被害者である」ということに気づくと考えられています。

実際にトマッシ氏はThe Rational Maleで、異性関係や男らしさ、女性の本質などについて、挑戦的な視点を示しています。そのため、賛否両論のある本ですが、マノスフィアからは圧倒的に支持を集めています。

ここでは、The Rational Maleで取り扱われているコンセプトをいくつかご紹介します。

運命の女性(The One)は存在しない

トマッシ氏は、「運命の女性」は存在しないと説きます。

多くの映画やメディアでは、「運命の人」に出会った男女が幸せになる様子が描かれています。しかし、トマッシ氏はこの考え方が有害であると考えています。なぜならば、男性が目の前の女性を「運命の人」だと認識すると、絶対に一緒にいないといけない、関係を終わらせてはいけない、相手を100%受け入れないといけないなどの「執着心」が芽生えるためです。

確かに、「運命の人」という思い込みに囚われると、自分を不幸にしている女性と関係を続けてしまうか、もしくはその女性と関係を持てなかった時に自暴自棄になりがちな男性は多いかもしれません。

トマッシ氏は、この「運命の人(The One)」がいるという思い込みを捨て去るべきだと主張しています。

相手を必要としてはいけない

トマッシ氏は、異性関係においては、必ず「権力力学」が働いていると考えています。そのため、異性関係で優位に立ちたいと思うなら、「相手を必要としてはいけない」と考えています。

人間関係における権力は、相手を必要としない方が強いからです。

ありのままの自分でいるな

自己啓発やポジティブ思考の多くは「Just Be Yourself」、つまり、自分らくしあることが成功につながると主張します。しかし、トマッシ氏はこの言葉に真っ向から反対します。

「The Rational Male」は、質の高い、ハイレベルの人間になるために成長と自己啓発が必要不可欠だと説きます。

トマッシ氏は自身のブログで、以下の質問を投げかけています。

もし私が金曜日の夜に家でピザを丸ごと1枚食べ、ビールを何本も飲み、アニメを見て楽しむような生活を送っていたら、どこからともなく魅力的な女性が家にきて、私とセックスをしたいと思うのだろうか?というか、なぜならないのか?だって、女性は「ありのままの僕を愛してくれる」べきなのだろう?

Source: Just Be Yourself

本来ならば、男性の市場価値は年齢とともに上昇する(そして、女性の市場価値は下降する)

トマッシ氏によると、男女の市場価値は「女性は23歳でピークに達するが、男性は36歳でピークに達する」と考えています。
※もちろん、これは事実無根です。


Source: Validation Hunting & The Jenny Bahn Epiphany

「The Rational Male」は、肉体的な魅力が女性の市場価値の大部分を占める一方で、男性にとっては市場価値の一要素に過ぎず、加齢とともに性的・社会的・職業的な魅力が成熟するからだと述べています。

女性はハイパーガミーに基づいて行動している

ハイパーガミーとは、女性がパートナーを選ぶ際に、富や社会的地位を優先する様子を表す言葉です。シンプルに言うと、「上昇婚」のことで、女性が自分より優れている男性を求める行動のことです。

「The Rational Male」は、ハイパーガミーがとても重要な女性の行動指針となっていると主張します。そして、女性のハイパーガミー的思考を前提に、男性も自身の市場価値や恋愛戦略を選択するべきだと考えています。

まとめ

「The Rational Male」は、マノスフィアのバイブルだと考えられています。

その内容については、女性差別的な表現や考え方、疑似科学的なものも多く含まれています。しかし、数多くの男性がこの本をきっかけに「目覚めた」と言われています。そのため、マノスフィア界隈では「レッドピルの入門書」だと捉えられています。

本日紹介した内容以外にも、「The Rational Male」は多くのトピックスを扱っています。

マノスフィア的な考え方をさらに理解したいと思った方には、一読の価値があるかもしれません。

Source:
Swallowing the Red Pill: a journey to the heart of modern misogyny
Sexual Market Value: A Practical Analysis
The Rational Male: Summary, Review, & Criticism

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