集中力の限界は90分?!活動周期を活用すると生産性を上げれるかも
スポーツ心理学者のジム・ローアによると、私たちの脳は、長くても90〜120分しか集中力が続かないそうです。その理由は、私たちは超日常リズム(Ultradian Rhythm)と呼ばれる、生物的な周期に沿って生きているからです。
超日常リズムは、睡眠研究者のナサニエル・クライトマンによって発見されました。クライトマン氏によると、人間は夜も昼も、90〜120分サイクルで動く傾向があります。夜間は、このサイクルが睡眠の各段階(覚醒、軽睡眠、レム睡眠、深睡眠など)に対応します。日中は、このサイクルがエネルギーと覚醒の異なるレベルに対応しているようです。
私たちが循環的に生きる生物であるならば、そのサイクルを活用することで、日々の生産性を高めることができるかもしれません。
目次
超日常リズムとは?
超日常リズムとは、1日を通して起きる「エネルギーの生成と回復」のサイクルです。
基本的には、90〜120分にわたってエネルギー出力と精神集中を続けると、身体と脳は15〜20分の休憩を必要とするようです。私たちはこの休憩を、エネルギーの回復や補給、再調整のために使います。その後また、90〜120分間は高い生産性や効率性を発揮することができるようになります。
Source: Tapping Into Your Ultradian Rhythms For Max Productivity
超日常リズムによると、私たちの身体は、90~120分ごとにエネルギーと覚醒度が高くなり、その後、疲労度が高くなる時間帯が発生します。
覚醒時に集中して物事に取り組むと、より高い生産性を発揮できる可能性が高まります。逆に、休憩が必要な時間帯に無理をすると、体の自然なリズムに逆らわなければならないため、身体的にも精神的にも辛くなってしまいます。
また、超日常サイクルに逆らって頑張ろうとすると、私たちの「闘争・逃走」本能が呼び起こされると考えられています。緊急事態は仕方がないですが、ストレスホルモンが放出されるため、この本能を慢性的に活用するのは、望ましくありません。
超日常リズムの活用方法
90〜120分単位で物事に取り組むことを意識することで、超日常リズムを活用することができるかもしれません。
心理学者のアンダース・エリクソンによると、トップレベルの音楽家の練習には、以下の特徴がありました。
・60~90分のセッションで練習する傾向がある。
・激しい練習から回復するために昼寝をすることが多いこと。
このような、「激しい集中」と「休憩」を繰り返す特徴は、他の分野のトップパフォーマーにもよく見られるそうです。
つまり、効率と生産性を最大化するには、「集中的に作業」を行った後に、「回復」することが不可欠なのです。
では、日常生活や仕事では、どのように超日常リズムを取り入れるのが良いのでしょうか。
ありきたりかもしれませんが、以下のような活用方法が考えられます。
・最も重要なタスクに60~90分取り組む
・集中力やエネルギーが低下してきたら、休憩周期が始まっている合図だと考える
・60~90分経過したら、完全に休憩を取る
・休憩中は脳をオフにする。、散歩、瞑想、短い昼寝、友人との会話など、どのような方法でもOK
仕事と休憩時間の線引きをしっかりすることが重要です。でないと、せっかくの周期的な集中力の波にうまく乗れなかったり、脳や体を十分に回復させられずに、パフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。
Research shows that ~90 min is the longest period we can expect to maintain intense focus and effort toward learning. Shorter bouts are fine but after ~90 min, take a break. Space intense learning bouts ~2-3 (or more) hours apart.
— Andrew D. Huberman, Ph.D. (@hubermanlab) September 6, 2022
Source:
Why You Need To Unplug Every 90 Minutes
The Origin of the 8-Hour Work Day and Why We Should Rethink It
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