2030年から男女間の賃金格差がさらに拡大するという予測
ニューヨーク大学教授のJonathan Haidt氏によると、2030年代以降から「男女間の賃金格差」がさらに拡大する可能性があるそうです。
その理由ですが、同氏は「メンタルヘルスの悪化」が大きく賃金に影響すると考えています。
2030年ごろから、何百万人もの若い世代(Z世代)の女性が、働き始めると予測されています。そして、その多くがうつ病や不安症など、メンタルヘルスに問題を抱えている可能性があるそうです(これは男性にも当てはまります)。
メンタルヘルスの低下は、仕事に対するモチベーションに大きく影響を及ぼし、リスクを避ける傾向も高めるため、賃金にもネガティブな影響が出ると考えられています。
目次
Z世代のメンタルヘルス
Haidt氏は、1997年から2012年の間に生まれた世代が「ひどい目に遭っている」と述べています。なぜならば、1995年以降に生まれたアメリカ人を見ると、不安・うつ・自傷や自殺など、精神的な脆弱性が非常に高いことが示されているからです。同氏は、この状況を「国家的な危機」だと言います。
「これほど憂鬱で、不安で、壊れやすい世代はかつてなかった」
Source: Gen Z Is Lonely
また、アメリカだけでなく、イギリスやカナダなどの英語圏で生まれたZ世代にも、同様の傾向が見られるそうです。
SNSがメンタルヘルス悪化の原因?
Haidt氏は、Z世代のメンタルヘルスが悪化しているのは、SNSが大きな原因があると考えています。
2013年ごろから、「特にティーン世代の女子」の間でうつ病の割合が急増していることが研究によって示されています。そして2015年には、危機的な状況に発展していたそうです。
2012年と言えば、Facebook(現Meta)がInstagramを買収した年です。確かに2012年以降、Instagramの若いユーザーが激増したように思います。同時に、iPhoneや他のスマホに「前面カメラ」が標準的に搭載されるようになり「自撮り文化」が定着しました。その結果、小さい頃からSNSにどっぷりと浸る世代が生まれました。
SNSがメンタルヘルスに悪影響を及ぼすという話は、今では当たり前の説になりました。しかし、Haidt氏は特に女性がSNSの悪影響を受けやすいと考えています。確かに2020年のデータを見ると、10代女性の25%がうつ病を抱えているのに対して、同年齢層の男性は9%という結果です。
また、同年代のミレニアル世代では、女子で約13%、男子で約5%と、Z世代の半分にとどまっているそうです。
Haidt氏の予測が正しいかは、実際に年数が経たないと分かりません。しかし、現時点でも年齢が上がるにつれて、男女間の給与格差が開くという研究も存在しています。
いずれにせよ、SNS依存によるメンタルヘルスの悪化は、深刻な問題です。
Source:
Jonathan Haidt on the ‘National Crisis’ of Gen Z
Gen Z Women Will Be Less Successful than Gen Z Men.
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