tDCSってなに?脳の働きを良くするの?!
tDCSとは、微弱な電流を用いて脳神経を刺激する手法です。脳のさまざまな部位を刺激することができ、対象の部位によって効果が変わると考えられています。
今のところ、tDCSに関する研究は、失語症や運動能力の回復、依存症、認知機能の強化などの分野で行われています。また、ヨーロッパでは、うつ病や偏頭痛、線維筋痛症などの慢性疼痛に対して、CE(安全基準の一つ)クリアランスを獲得しています。
tDCSとは「Transcranial Direct Current Stimulation」の略です。
目次
どんな仕組み?
tDSCは、微弱な電流(1~2mA)を使って脳の大脳皮質の活動に影響を与えます。脳の特定部位の活動を増やしたり、減らしたりすることで、脳機能を高めたり、抑制したりすることができると考えられています。
大脳皮質に流れた微弱な電流は、脳の興奮性を調節することで、運動機能や感覚、認知反応を変化させることができるようです。そのため、いくつかの精神疾患にも有効性があると言われています。
1回のtDCSの効果持続時間は、30~120分ほどです。tDCSを繰り返し行った場合の長期的な効果については、現在も研究が進められています。
何に効果がある?
いくつかの初期の研究によると、tDCSには以下の効果がある可能性を示しています。
・学習とスキル習得
・慢性疼痛の緩和
・うつ症状の改善
・睡眠の質の向上
・ADHD症状の改善
・反応/処理速度の向上
・食欲のコントロール
Source: Transcranial Direct Current Stimulation Improves Function in Chronic Incomplete Tetraplegia
tDCSは安全?
tDSCの効果に関する研究は、まだ全体的に初期段階にあります。そのため、それらの効果を確認したり、安全性を検証したりするためには、大規模な追加研究が欠かせません。
また、アメリカでは消費者向けのtDCS製品が販売されていますが、それらは医療機器としてFDAから承認されていません(医療目的のtDCSも、今のところFDAが調査中の段階です)。
一方で、興味深い結果を示す初期段階の研究もいくつかあるのも事実です。そのため、tDCSは将来有望な研究対象ではありますが、まだ広く使われる段階には至っていないと考えられます。
Source:
What is transcranial Direct Current Stimulation?
13 Effects of Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS)
What is tDCS
The Effects of Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS) on Working Memory Training in Healthy Young Adults