語学学習は何のためにやる?!AIが全て翻訳する時代に言語を学ぶ理由とは

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語学(特に英語)学習の重要性は、いたるところで主張されているため、この記事では仕事や文化理解に関するメリットには触れません。

また一方で、AIの発達に伴い、翻訳ソフトやアプリの正確度や翻訳速度が劇的に向上しているのも事実です。

旅行先でも写真を撮れば、即座に文章を母国語で確認することができます。また、映画やドラマも、字幕が充実しているケースが大半です。もはや、これらのツールを使えば、わざわざ新しい言語を学ぶ必要はないのかもしれません。

では仮に現代が、母国語だけで世界中の人々とコミュニケーションが取れて、コンテンツも理解できる時代だとすると、新しい言語を学ぶ意味はあるのでしょうか?

好奇心はあるものの、学ぶ必要性が感じられず、なかなか学習に取りかかれない方も増えているのではないでしょうか?

でも、ご安心ください。AIツールが一般的な「メリット」を打ち消してしまう時代であっても、語学学習は私たちにポジティブな影響を及ぼします。

この記事では、必要性が感じられずに語学学習に踏み出せない方向けに、言語を学んだ方が良い理由をご紹介します。

具体的には、語学学習が脳に別格にポジティブに影響する理由を紹介します。

目次

認知症の予防になる可能性

2018年のレビュー論文によると、語学学習は「高齢者の認知能力を高め、その低下から守る」可能性があることが分かりました。

もちろん、語学学習が認知症の予防となるかどうかを知るには、さらなる研究が必要です。しかし、今のところ語学学習は認知能力にポジティブな影響を及ぼすと考えられています。

その理由は、語学学習によって鍛えられる脳のエリアが、老化時に衰える脳のエリアと被る部分が多いからです。

語学学習が脳に与える影響は、筋トレが筋肉に与える影響に似ているそうです。つまり、脳を使い続けることで、記憶力や認知機能を保つことができるという考え方です。

特に孤独な高齢化社会と言われている現代においては、語学学習は脳を鍛え続け、人付き合いの機会を増やす良いアプローチの一つだと言えます。

脳の健康状態を高める

多くの研究によると、バイリンガルであることは、脳の様々な領域に影響を与えることが示されています。

例えば、バイリンガルは脳の灰白質と白質を健全に保つそうです。

灰白質とは、脳内の細胞体と接続部分の集合体です。また、白質は神経細胞間の情報のやり取りを促進します。

バイリンガル性は、この灰白質の密度を高め、白質の老化を抑える働きがあると考えられています。

語学以外の脳機能を高める

脳の認知機能や健康状態を高める時点でお気づきの方もいるかもしれませんが、語学学習は以下のポジティブな影響があると言われています。

・決断能力を高める
・創造性を高める
・注意力を高める
・マルチタスクの能力を高める

私たちの脳は、ある単語を聞いたとき、常に次にくる言葉を予測しています。

バイリンガルの人は、常に複数の言語でこの「予測処理」を行なっています。その結果、認知機能の処理能力が上がり、注意力が自然と高まるようです。

また、人は年を重ねるたびに、習慣に応じて言葉を使うようになります。

しかし、新しい言語を習得すると、この習慣から解放された状態で言葉を選んだり、文章を組み立てたりする機会が増えるため、言語以外の創造性も高められることが期待されています。

Source:
Novelty, Challenge, and Practice: The Impact of Intensive Language Learning on Attentional Functions
5 things that happen to your brain when you learn a new language
https://knowablemagazine.org/article/mind/2018/how-second-language-can-boost-brain
How a second language can boost the brain
https://metazaru.com/neuroplasticity-intro/

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